ルネ・デカルト
中村雄二郎の思索全体を貫くモチーフは2つある。1つ目は情念論と制度論の架橋、もう1つは「デカルトからパスカルへ、パスカルからデカルト」へという往還である。今回取り上げる『パスカルとその時代』(1965年)は後者を主題としたものである。中村の著作は…
→次の記事へ 中村雄二郎はパスカル研究者としてキャリアを出発させた後、すぐに独自の哲学の構築に乗り出している。そんな中村が最初に取り扱ったテーマは情念論であった。2021年の今であれば、哲学者が感情(情念)の問題を扱っても特に不可解なことではな…